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1958年二輪車・バイク広告集(105) ホンダドリーム号 C70 250cc




ホンダドリーム C 70型

(1958年「モーターファン」3月号)

高島鎮雄

昨年9月遂に本田技研工業から、新ドリーム号C- 70型が発表された。とにかく質の点でもまた量の点でも日本一を謡われるドリーム号のことだけに、その新車に対しファンの示した期待と注目は異常なものがあった。案に違わず発表されたこの新ドリーム号は隅から隅まで独創で固められた素晴らしいものとなった。

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本田技術研究所では、この新ドリーム号のために3億5千万円 の研究費と2年有余の研究試作期間を費やしたと云うが、その成果は充分にあげられている。世界的に見ても余り例のない 4サイクル2気筒 OHC スクエアの250cc エンジンは毎分7400回転で18馬力を出す。これは立当り72馬力となるが、誠に驚異的な数値である。

一方ボディーは徹底的な軽量化が行われた結果、車両重量実に138kg 馬力あたり重量7.7 kg というこれまた驚くべき値を示している。従って性能も非常に優れ最高速度130 km/ h を出すと云われる。ともあれ、この世界のトップ・グループに入る優秀車が純粋に日本人独自の創意と技術により作られたことは誠に喜ばしい。


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下 はドリーム C-70型のストレス・スキン構造のフレームである。ストレス・スキンとは応力外皮構造、即ち骨組みを抜きにして外側の殻—外皮を筒状にしてそれ自身を1つの剛体とするものである。ドリーム号の場合もパイプを全く廃したプレス鋼板によるもので、平らな面をできるだけ減じ曲面と角の稜線とを巧みに組み合わせて非常な鋼性を得ている。荷重により、その曲面と角とを使い分け、任意の断面形状を作って応じている。


またこのプレス鋼板の溶接は従来のスポット・ウェルディング(点溶接)を止めて、最新技術によるシーム・ウェルディング(線溶接)を採用している。これは溶接する箇所を点とせずローラーにより幅を持った線とするもので、堅牢で美しく然も均一性のある製品が得られるようになった。

以上の構造はフロント・フォークにも採用されている。このため非常な軽量化に成功している。エンジン図は矢印の箇所左右計4箇所で釣られている


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非常に細かい周到な計画の上にデザインされた車である。一見カバーのように見えるこのフロント・フォークは、それ自体モノコークの強力なメンバーとなっている。したがってフォーク上方のステアリング ヘッドと下部のスプリング取付部やピポットの間には、内部に何等のメンバーもない。ボトムリンクであるが、左右のアームの強度を増し捻じれ防ぐため、フェンダー後方をスタビライザーが廻っている。

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エンジンは2つのシリンダーの間に持ってきたチエンにより駆動するシングル・オーバーヘッドカムシャフトによるもので、このカムシャフトの左側に自動進角ガバナーとコンタクト・ポイントを持っている。

カム チェーンの駆動は左右クランク シャフトの間にあるスプロケットによっており、エンジン後方にチエンのテンショナーがある。シリンダーへシリンダーヘッド カバーは上方でサブフレームにゴムを介して取り付けられているが、これは全くフリーであり、エンジンの全重量は左ページのごとく後方で吊られている。

プレスト・フレームを中心とした美しいデザインである。










事務局 雑感


1954年本田宗一郎は高性能な工作機械を求め、ありったけの資金3億5千万円を懐に渡欧。ドイツ・スイスなどのメーカーを回り、マン島に立ち寄りTTレースを視察して帰国する。

1956年頃から2サイクルツイン250ccの高性能車(ヤマハ・スズキ・ガスデン)の登場でホンダSA250ccの性能では加速性・最高速度で劣り窮地にあった。だが、資金力に勝るホンダは翌57年に値下げ攻勢で急場をしのいだ。

そして57年10月、2年予の研究開発を経て世界に類のない 4サイクルツインOHC250cc ドリーム号を発表した。半年後にはセル付きC71を登場させ、国内初の乗用タイプCS-71 も発売した。C70の開発は「ユーザーがテストライダー」と言われたほど素早かった。クレームも多かったが、その処理は迅速だった。C70型が完成したのは発売から2年後の1960年C72型までかかった。そして1958年夏に登場したスーパーカブC100と共にホンダの屋台骨を背負っていく。

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ドリーム

本田技研工業株式会社

(東京都中央区)

(1958年 月刊「オートバイ」2月号 ㈱モーターマガジン社)




1958年 C70型 OHC 2気筒250cc

メーカーの言 4サイクル2シリンダー250cc


250cc の2シリンダーですから125cc のエンジンが二つ並列に搭載されていることになります。したがって同一排気容量の単気筒エンジンと比較しますと、小さなストロークで、大きな圧縮比を得ることができ、ピストンの往復運動時の摩擦ロス等が少なくなり、高速回転を得られることになります。ですからC70型のエンジンは、毎分7400回転時28馬力を出す高回転高出力のエンジンです。リッター馬力(1000cc に換算した時の馬力)にして72馬力となり充分な力を発揮することができます。



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4サイクル・2シリンダーエンジンのクランクシャフトのクランク角度は、一般に180°と360°の2種類が考えられますが、今その二つの方法について、バランス及び爆発の状況等を考えてみますと、まず180°クランク角度に固定されたコンロッド、ピストンは互いに相対的な運動をし、右側のピストンが上死点にある時は、左側のピストンは下死点にあることになり、クランクシャフト、コンロッド、ピストンの結合品の静的動的のバランスは実に良いことになります。


ところが運転時における爆発工程の時間的関係を見ますと、左右シリンダーは交互に爆発しているとはいえ、時間的には不等間隔の爆発が行われていることになります。したがってトルク変動は、大きくスムースな回転は望めません。


一方、 C70型エンジンが採用しています360°クランクを考えてみますと、確かに前述のごとく、クランクシャフト結合品の静的、動的のバランスは良くありません。360°と云ってもコンロッドの取り付けから考えれば、クランク角度は0ということになるのですが、運転時の行程から見て360°すなわち左右ピストンがちょうど、一回転ずつ工程がずれているということです。今下死点より上死点へ行く左右のピストンのうち左側が圧縮行程の時は、右側は排気行程、または上死点より下死点へ行く時に左側が爆発行程の時は、右側は吸入行程ということになり、左右のシリンダーはⅠ行程おきに等間隔に左右が爆発を行い、2サイクル・エンジンと同様にクランクシャフト1回転に1回の爆発をすることになり、円滑な回転が得られるわけです。




オーバー ヘッド カムシャフト (OHC )型式


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カムシャフトをシリンダーの上に取り付け、ロッカーアームを介してバルブを作動させる頭上弁式を採用し、左右両シリンダーの弁開閉を一本のカムシャフトで行います。


この型式は、プッシュロッドやバルブリフター等の往復運動部品がなく、また混合ガスを爆発させるのに理想的な半球状の燃焼室を形成しやすい機構なので圧縮比が8.2と大きくあるのにも関わらず、普通の73オクタンガソリンを使用しても異常爆発を起こしません。


半球状の燃焼室は、さらに他の型式の燃焼室と比較して、同じボアに対して非常に大きなバルブ径を有するバルブを組み付けることができますから、吸入効率、排気効率は優れていると言えます。またバルブの開閉時期は次のようになっており、充分に吸排気ガスの加速性と惰性を生かせるように設計されています。



カムシャフト駆動方式


シリンダーヘッドに装着されたカムシャフトを鼓動させる方法には、歯車を組み合わせて行うもの、シャフトによるもの、またロットによるもの等がありますが、C70型においては、従来通りのチエンによる駆動方式を採用しています。この型式は量産に適していると同時に、組み込み調整等が容易にできる利点があります。また従来は、クランクシャフトよりタイミングギアを介して1/2に減速した後、チエンにてカムシャフトを回転していましたが、C70型ではクランクシャフトに直接スプロケットを切って、カムシャフトを直かに駆動するようにしました。


この方式ですと、速度を1/2に減速しながら回転を伝えますので、チエンでスピードが増すわけでありますが、部品点数が少なくて済みますから構造も簡単に出来ます。またカムチエンの運動中の振れやたわみを自動的に調整するテンショナーローラーとガイドローラーは良質の耐油、耐摩耗性のゴムにて作られていますので、カムチエンの騒音は非常に少なくなりました。


(取り扱い)


カムチエンを張る場合には、チエンの引張側を確実に張っておいてからテンショナーを調整調整しなければなりません。このためには、クランクシャフトを回転方向に廻しておき、一方のシリンダーの排気バルブが、図のB の範囲でチェーンの張り方を調整すると、バルブスプリングの荷重によりチエンの引張側が張られますので、必ず B の範囲で調整するようにします。バルブ排気行程の位置に置いてカム・チエン・テンショナー・セットスクリューを一度緩め、スプリングを働かしてから再びセットスクリューを締めつければ良いのです。

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上・下分解式クランクケース


C70型エンジンにおいては、上下に分解できるクランクケースを採用しましたので、加工が非常にしやすくなると共に、ケース内部の修理の際にもシリンダー廻りを取り外すことなく、アンダークランクケースのみを取り外せば簡単に分解組み込みができるようになり、またオイル漏れに対しても有利な構造になりました。なおアルミダイキャスト製ですから素材のムラが無く、均一なしかも肌の美しい製品が出来上がり、堅牢であるとともに、非常に重量が軽くできています。


上下のクランクケースは、一本ノックピンと4個のクランク・ベアリングハウジングを証として正確に結合され、合わせ面は幅を広くとってアトモジットというゴム状のパッキン用物質を使用してオイル漏れの絶無を期しています。また下クランクケースに取り付けてあるオイルセパレーターは、クランクシャフトのバランサーウエイトに付着しているホイールをかき落とす役目をし、オイルが飛沫するのをなるべく防ぐためのものです。



ドライサンプ潤滑方式


潤滑油をクランクケース内に溜めずに車体に装備したオイルタンクに蓄えて、必要量のオイルを歯車式のオイルポンプによって、クランクシャフト、シリンダー、カムシャフト、バルブ等に強制給油するドライサンプ方式を採用しました。従ってクランクケース下部にオイル溜まりを設ける必要がなく、ケースの容量容積を小さくすることができ、重量も軽減されています。


また常に必要なオイルのみを供給し、潤滑の用を果たしたオイルはポンプによって返送され、オイルフィルターを通ってろ過された後、オイルタンクに蓄えられるので、冷却が十分に行われ、油温の上昇を防止することができます。タンクよりポンプへ来るオイルパイプは、極力吸入抵抗を少なくするように太くしてあり、またケース下部に溜まってきたオイルを返送する際に、いたずらに泡を立空気を吸い込まぬようにオイルシールドプレートを付けて、これを防止する等工夫をこらしています。


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ギアポンプを採用したことは、プランジャーポンプの往復運動部分がないので、無駄な慣性力による損失がなく、また高速時におけるポンプの性能の低下がなく高速回転に有利であり、信頼性が大きいからです。オイルフィルターと一体構造になっているオイルタンクは車体の右側面に装備してありタンクよりのブリーザーチューブはチエンケースの内部に開口しているので、ドライブチエンに自動的に給油できるようになっています。オイルタンクのオイル量を確認する場合は、必ずエンジンを2~3分間ぐらいアイドリングをさせた後、オイルタンクキャップについているゲージ棒で確認してください。


これはタンククランクケース内の下部に留まっているオイルをタンク内に返送するためですから、朝オイル量を調べるときは必ず実施してください。オイルタンクの容量は1.5ℓでオイルはダイヤモンド(三菱)HDオイルをお使いください。夏期は SAE#30、冬期は SAE20番が適当でしょう。


バッテリー点火方式


クランクシャフトに交流発電機を装備してバッテリーに充電し、イグニッションコイルにて高圧にされた電流によって着火させるバッテリーイグニッションを採用しました。したがって、進角範囲はマグネット点火のように制限されず広く取ることができ、しかも低回転、高回転時の火花性能のムラがなく、コンタクトポイント及び点火プラグの磨耗が少なくなりました。


C70型エンジンの進角範囲は1000rpmまでは上死点にて点火し、それより漸次進角し2,500rpmにて上死点前度にて点火するようになっているので、点火時期の調整も非常に容易になりました。発電機は磁鋼をコイルの外側に配置して回転させ、フライホイール型ではなくコイルの内側で磁石が回る構造になっています。


磁鋼(ローター)はクランクシャフトに直結されているので、運転中高速度で回転し、これにより固定子鉄芯内の磁束の向きと強さが変化し、交流電気が発生するわけです。発電機より取り出し得る電力は、全電装部品の要求を満たすのに十分ですが、中間はヘッドライト等を使用しないので、バッテリーの過充電を避けるため、コイルを2群に分け、コンビネーションスイッチで、昼間、夜間の出力を変えるように設計されています。このように充電能力は充分大きくとってありますから、例えばバッテリーが上がってしまった場合でも、バッテリーの抵抗に妨げられることなく、そのままの配線で始動し運転が可能です。


またC70型においては、イグニッションコイルといっても特別に他の箇所に取り付けているのではなく、直流イグニッションダイナモと同様にダイナモに組み込んであるので鉄芯を締付け軸として使用しています。なおプラグは中熱型のNGK・ BC54を標準プラグとして採用しています。このプラグは、ネジ径14 mm ピッチ1.25で従来型と同一ですが、ネジの長さが19 mm あり、また露出部分は、10mm プラグと同サイズの小型に作られているので、六角対辺16mm のボックススパナでないと脱着ができません。



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湿式多板クラッチ


機械的には従来通りの湿式多板式ですが、トルコの小さなところで作動させた方が機能上有利ですので、 C70型においてはクランクシャフトに装着しフライホイールの効果をも兼ねるようにしました。従ってミッションシャフトに取り付けるより回転は早いですですが、動力伝達部の面積及び接着力を小さくすることができますので必然的に小さくまとめることができます。湿式クラッチは、乾式クラッチと異なって常にオイルの中で作動が行われていますので、磨耗による過度の発熱を防止し、フェーシングの摩耗を少なくするとともに、断接時に起こるセリ音をなくし円滑な断接を行うことができます。


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C70型のクラッチはクラッチアウターが断接時の如何を問わずいつでも回転しているように設計されていますので、フェーシング表面のオイルをよく振りきることができ、湿式クラッチの構造としては理想的であると言えます。クラッチセンターには、プライマリーチェーンをかけるためのスプロケットが切ってあり、大きな力がかかりますのでクラッチ各部が回転をし、飛沫したオイルをクラッチオイルスルウで受け止め、常にクラッチセンター軸受部を潤滑するようにしています。



(取り扱い)


今までクラッチはカム台で行っていた断接操作も、左カバーに切ったネジによって行うようにしました。従って調整方式は、ハンドルレバーの遊び程度ならクラッチワイヤーのアウターの調節ネジにて調整し、それ以上の場合はクラッチリフトアジャストスクリューによって調整します。この場合、クラッチレバーの遊びにして約5mm程度のところからクラッチが切り始めるようにしてください。

変速機(トランスミッション)

前進4段常時噛合式ロータリーチェンジ方式を採用しており、変速比を57年型MEと比較しますと下の表のとおりです。表によっても明らかのごとく、ローの変速比を大きくとっているので出足は非常に良好で、全体から見てもエンジンの出力にマッチした変速比であるため、馬力のあるエンジンの後輪駆動力をさらに幅の広いものにしています。ミッションギアのうち、シフトフォークによって動かされるのはカウンターセカンドギアとミッションサードギアで、従来型に見られたシフターはありません。すなわち、カウンターセカンドギアのダボがローギアのダボに噛んだ時がロー。カウンターサードギアに噛み合った時がサードになり、またミッションサードギアのダボが、ミッションセカンドギアのダボに咬んだときはセカンド。トップギアに咬んだ時はトップになります。シフト機構としては従来型と同じですが、シフトアームを長くしチェンジペダルの踏みしろを小さくしてあります。


トランスミッション内の潤滑は飛沫式でクラッチ室と連通されています。従って、クラッチ室に入ってクラッチを潤滑した飛散したオイルをトランスミッションオイルスルーに受け止めて、ミッションシャフト内部へ導き、ミッションセカンドギア軸受部およびトップギヤジャーナルを潤滑しながらミッション室へ返送するようにしています。


トランスミッション内のオイルの量の点検は、メインスタンドをかけた状態で左側にあるオイルレベルプラグを外しオイル量が洩れるまで入れてください。この場合、このプラグによりオイルが流れでたからといって、オイルがあると判断されるのは危険です。それはクラッチ室よりミッション室へ返るべきオイルが出てきて、実際にミッション室内にはオイルが少ない場合もあるからです。オイルはオイルタンクのと同様三菱ダイヤモンドHDオイルを(夏期SAE30番#)冬期(SAE 20#)入れてください。オイル量は約1ℓ 入ります。


キックスクーター(始動装置)


従来型のようなキックギア、キックピニオンを廃止し、直接変速装置のローギアに組み付けてあるラチェットを介して回転をクランクシャフトに伝えます。従来通りに右足にてキックするようにエンジンの右側面にキックアームを取り付けていますが、運転中に右足の邪魔にならないように根元のナックル部より折りたためるようにしました。


キックスタータースプリングは、短形の断面形状を持つゼンマイ型のスプリングを使用しましたので、スペースをも小さくて済み組み込みが容易になりました。キックアームの回転をローギアに伝えるキックスピンドルは、カウンターシャフトの心棒をも兼ねていますから、カウンターシャフトはキックスピンドルの上に置いて回転していることになります。キックスピンドルのカム部にはキックスピンドルポール(爪)がスプリングで外に張るように組み付けられ、ローギアーの内側に切ってある歯状の凸凹に引っかかるようになり正方向のみに回転を伝え、逆回転の際は爪が押し込まれ空廻りをするようになります。


クランクシャフトへは、ローギアからミッションシャフト、更にそれに固定されているプライマリードドリブンスプロケットによりプライマリーチチエンを経てクラッチへ伝えられます。クラッチはクランクシャフトに固定されていますからクランクシャフトがまわされることになります。キックアームを1回踏み降ろすとほぼクランクシャフトは2.5回廻されることになっています。


キャブレターのシールド式取り付け法


 C70型はキャブレターをフレーム内部に格納して防塵効果を上げています。2サイクル・エンジンの如く、構造的にキャブレターを下方に取り付けられるものと異なって、4サイクルエンジンで特にオーバーヘッドバルブ型式のものは、構造から云って上部にキャブレターを取り付けざるを得ませんので、スタイルの点から見ても一般に困難とされていました。


 C70型においては、フレームの内部に入れカバーにてシールドすることによって見事に解決しました。外観も非常に美しく、泥雨塵埃を妨げるので摩耗破損の心配もなく、キャブレター自体の寿命が長くなることになります。キャブレターが外部から見えることはエンジンをコンパクな感じにし、

車体全体の美観を増しています。


フレーム本体


 C70型のフレームは、ストレススキン(応力外皮)構造によるプレス鋼板製を採用し、断面形状を膨らみのある角形にして剛性を向上させています。しかもその角方が今までにない斬新な感覚を表現していると言えます。また、溶接方式は、最新式シーム溶接を行っているため、信頼性のある完全な溶接ができ、仕上がりも美しく、均一な製品を作ることができます。従って板厚を薄くし、応力に応じた断面形状を有していますから、フレーム本体の重量はずっと軽減され、体車全重量も160kgから138kgと大幅に軽量されました。


 最高出力18馬力という強力なエンジンを搭載していますので、馬力あたりの重量はわずか7.7 kg という数字です。この軽量なことが強力なエンジンに4段の変速比を適切に設定したことと相俟って出足をよくし、加速性能および最高速度の飛躍的増大を可能にしたわけです。フレーム内部には、バッテリー、エアクリーナーが格納され、右側面にはオイルタンク、左側面にはツールボックスが取り付けられています。またリアフェンダーはフレームに溶接結合され一体構造になりました。


 フレーム本体の板厚は1.0mm、リアフェンダーは0.8mm、フレームボディボトムプレート、エンジンハンガープレートはそれぞれ2.3mm の鋼板を使用しています。


フロントフォーク及び走行装置


フロントフォークもフレーム同様にプレス鋼板製で、各接合部分をスポット溶接にして安全性を高め、荷重に応じた任意の断面形状を作り得るため重量も軽くできています。また角形の形状は、フレームにマッチしたスタイルを形成しています。フロントフェンダーは直接フロントフォークにネジ止めされ、前輪のクッションに無関係に固定されていますからばね下重量にはなりません。


フロントクッションは57年ME型と機構的に異なったボトムリンク式を採用しています。すなわちME型においてはフロントサスペンションアームがロッカーアームを介して密閉されたフォークの内部で摺動し、クッション作動していましたが、C70型においてはフロントサスペンションアームが直接クッションに固定されてあり、クッションはフロントフォークの殻の中へ単独部品として取り付けられ、圧縮荷重をスプリングで受け反動伸びをダンバーで減衰させています。


またこのリンク式はホイールベースの変動が少なく、敏感に作動しますので、前輪のクッション性能は非常に良くなっています。フロント本体の構造は複動式になっているためオイルシールに余分な圧力をかけることなく、オイル漏れを完全になくしています。オイルは丸善石油の作動油1号または60#のスピンドル油を25ccお入れください。


前輪を支え直接振動、緩衝を受けるフロントサスペンションアームは鍛鋼品ですから充分な剛性があり、左右のアームをU型のビームで直接結合していますのでねじれ等の変な力がかかっても左右のアームが交互に支えあって、アームの支点に無理がかからず左右均等にクッションすることができます。


ハンドル本体も従来一般に使われていましたパイプ製から、車体全体の形に調和した形状を得るためプレス鋼板製としましたので、軽く、しかも丈夫になり、ワイヤー及びコード類を全部ハンドルの内側に入れることができますので、損傷を防止するとともにハンドル廻りが美しくなりました。

ラバーブッシング(ゴムブッシュ)


 C70型のフレームには、金属製の内外枠環の間にゴムを溶着して作られたラバーブッシュを下記の箇所に使用しています。

  フロントクッション下部取り付け部

  フロントブレーキトルクリンク両端

  リヤーフォーク支点

ラバーブッシュは二つの互いに異なった運動をする部分に内外枠環を各々圧入固定し、動かなくしますから、中間にあるゴムが運動を吸収することになり、普通のブッシュのごとく摺動部分に隙間を設ける必要がありません。従って摩耗することによってガタを生じ騒音発生することがありませんので、リンク運動の中心としては理想的なものです。


後輪駆動緩衝装置(リヤーホイールダンパー)


リヤーホイールハブの中に十字のリブを設け、その中に4個のリヤーホイールダンパーという扇形のゴムを入れて発信時及び制動時のショックを吸収しています。そのうちドライブチエンにて伝えられた動力はチエンケースの中に入っているファイナルドリブンスプロケットを回転させ、それに固定してあるファイナルドライブフランジ回転させることになります。ファイナルドライブフランジにもリヤーホイールハブと同様に十字のリブがつけてあり、それが後輪を組み込んだ時にリヤーホイールダンパーの細長い孔にはまり込むことになります。したがって、急激に動力が伝わってきた場合でもゴムを介して後輪が回転されるためにショックを感じることなく、更にドライブチエンにも大きな荷重がかからないことになるからチエンの寿命も必然的に長く保つことが出来ます。また従来は、後輪ブレーキをゴムのダンパーを介して行なっていたものを、C70型においてはリヤーホイールハブに直接作動するようにしましたので、制動時に後輪が踊ったり、急激なショックをドライブチエンに与えることなく好結果が得られます。このように動力伝達側と制動側が分離されたため、ブレーキパネルがチエンケースと反対側に取り付けられ、また後軸が通しになりましたので、後輪の取り外しは従来より少し、しにくくなりました。

16吋 ホイール

前後輪とも3.25―16吋タイヤを装備しました。車輪を小さくすることによって重心を下げ、重量を軽減しましたので走行時の安定性が増大しました。重心の位置は特に単車の場合敏感に安定性を左右しますので、より重量を軽くより重心を低くするように努力しています。車輪が小さいということは、車体全体の重量が軽いと同時にバネ下重量も軽いということです。(バネ下重量とはスプリングに支えられていない部分の重量を云います)バネ上の重量に対するバネ下重量の相対関係はクッション時の振動、振幅、周期等に大きく影響しますからその決定にはいろいろ考慮がはらわれています。


C70型の16吋ホイールの採用は、その点においても良い結果が得られています。またスポークは従来の如くハブ側がカギ型に曲がっているものではなく、まっすぐなストレートタイプのスポークを採用しましたので、振り曲がり等の力がかかることなく強度的に非常に丈夫になりました。

X X X

以上、メーカー側の述べるドリームの特徴を要約するとエンジン関係では、並列・等間隔爆発の4サイクル OHC(頭上弁、頭上カム型式)2気筒を採用した結果——トルク(回転力)の変動が少なく回転が円滑で振動が少ない、またカム軸を直接チエンで駆動するため回転による消耗は少なく非常に円滑で高速回転が容易、出力が大、加速性能は向上した。点火方式はバッテリー点火としたため——進角範囲が広く、低速、高速における点火のムラがない。


従ってプラグ、ポイント等の損傷が少ない。潤滑方式はドライサンプ方式で——清浄なオイルを的確に供給することができオイルの冷却が良い。クランクケースはアルミ合金製上下分解式で——優美、軽量でオイル漏れの心配がない。また完全密閉式でキャブレターもシールドしたので、チリやホコリが侵入せず各部分の磨耗が少ない。……などである。


次に伝導関係では——湿式多板クラッチをクランクシャフトに装着したので、動力伝達部の面積及び接着力を小さくすることができた。変速機は常時噛合式4段ロータリー変速を採用し、変速操作が容易かつ正確で変速時の騒音がない。後輪のドラム内にダンパーを設けたので、チエンにかかるショックがなく寿命が長い。


前後とも小径タイヤを採用したので重心が低く、重量が低く、安定性が良い。フレームについては——ストレススキン(応力外皮)構造によるプレス鋼板製で、軽量で鋼性が高く製品が均一である。フロントフォーク及び走行装置に関しては——軽量で剛性が高く機能が良好である。またラバーブッシュを採用し、磨耗が少なくガタや騒音が生じない。……などなる。


ユーザーの言

 さて、上記のような特徴を持た ドリームC70型 について、実際に使用しているユーザーに忌憚のない意見を聞いてみよう。C70型ドリームですでに3台目という 吉野繁男さん(東京都)は——

「前に乗っていた57年型より確かにいい。クッションがさらに良くなり、スピードも出る。加速性能もとてもいい。そして排気音が静かになったことね。いま流行の2サイクル・ツインよりも静かなくらいです。安定性もかなり良くなっています」と、57年型より向上していることを認めているが、不満な点としてこう言っている。


「スポーツ用として使うならば格好の車と言えるでしょうが。実用的と言うか営業用として使うには不向きなところが数あります。例えばハンドル幅が狭く、上半身が前かがみになるんです。ですから荷を積むとちょっと具合が悪いということになる。それからスピードは確かに出ますが、ローの伸びがないの常セコンド以上の加速はいいですけど……。でも加速性能も期待したほどではないようです。


また雨天の時なんですが、前輪のフェンダーが全然といってよいほど水しぶきをよけてくれないんです。ですから膝から下はビショぬれになっちゃう。その他この車は夜間駐車の際、尾灯をつけたまま止められるんですが、15分も経つとバッテリーが上がっちゃうんです。車の安全には痛しかゆしというところです。もう少しバッテリーの容量を大きくしてもらいたいと思いますね。


またハンドルキーがメインスイッチと一緒に使えるようになっているのは良いんですけど、錠の番号が5番ぐらい違っていてもあっちゃうんです。これは僕の友人のもので分かったんですが、どうもうまくないと思いますね。もう少し鍵の種類を増やす必要がありますね。それででないとハンドルキーを付けてる意味がなくなっちゃう。キャブレターのシールドも見たところはいいですが、チックラーらが出ていないんです。ですから朝の始動が悪くて困ります。15~6回キックしないと始動しないです。


一旦始動すればよいんですけどね。全く朝の始動にはイライラさせられます。その他細かいことですがバックミラーがとても見づらいですね。標準部品としてつけてだしてくれるのはいいんだけど、ぶれちゃっててんで見づらいんです。車が高速になったんでブレーキ性能も向上しているんで安心できますが、ブレーキの踏台という足乗せ台が小さくて……。57年に慣れているせいか、何か危なっかしいような安心できないような感じがします」

また前期のベンリーからC70型に乗り換えたと言う

羽持照男さん(東京都)は次のように云っている——

ベンリーから乗り換えたんで同クラスの他車とは比べられませんが、乗ってみてはまァ満足しております。価格も我々から見ればまだ高いんですが、国産250cc級としては割に安く、サービスも悪くありませんから魅力のある車といえるでしょう。まずこのドリームの良いと思うところは非常に静かであるということ。それからトップスローがよく聞くこと、これはトップで25km ぐらいまで全然のノックせず走ります。ですからトップに入れると40km 以下では走れない車に乗っている人には羨ましいくらいだと思います。常に白バイに気を配りながら走らなきゃならないのでは、やりきれませんからね。無駄な神経を使って……。


車重も軽いとは思いませんが重くはありません。馬力についてはベンリーに比べて恐ろしくあるという感じはないですが、別に不足を感じません。加速性能はなかなか良いし、安定も非常にいい。またクッションもいいですね。後は少し硬いようですが、ちょっと荷を積めばちょうどいい。前は気持ち良いくらいによく効きます。


エンジンの油漏れは全然ないと聞いたんですが、やはり少しはあるようですね。シリンダーの方はないんですが、左右のクランクケースカバーの合わせ目から若干滲み出すようです。でもこのくらいなら苦になりませんね。半月くらい掃除しなくてもそう見づらくないようですから、方向指示器の操作がハンドルグリップを離さずにできるのはなかなか便利です。グッドアイデアですね。


まあ乗りやすい手頃なオートバイですね」と一応満足しているが、やはり不満はあるようで次のようにいっている。「第一番目にローが伸びないこと。交差点なんかでよくあることなんですが、前の車が進んでは止まり止まっては進むというような場合、ローかセコに入れられないんです。ローで進んでセコにチェンジしようとすると、前の車が止まるのでやめにすると前の車がスタートする、その時まだはこっちが動いているんですからこのままずうっと伸びようとするとでないんです。出足は良いんですがぐっと出るだけで後が続かない。エンジンのためにはローで回転をあげないほうがいいんでしょうけど……。


それから一人で乗っている時は安定がいいんですけど、荷物を積んだ時はふらつく様です。荷物の重さと積み方にもよるでしょうがハンドルの幅が狭いためじゃないかと思います。それから1日に乗り終わって翌日の始動がとても悪いんです。10回ぐらいキックしないとかからない。この点はベンリーのほうがずっとよいですね。それからブレーキの踏み台が狭いのと、初めからついてくるバックミラーがとても見づらくて困ります。なぜ普通のバックミラーにしなかったんでしょうね。スタイルも別に感心するほど良いとは思えない。いい車に違いないけどもっと使いやすいようにしてもらいたいですね」

また56年SA型から乗り換えたというドリームファンの

高宮正男さん(東京都)はこういっている。

「前に乗り較べると確かに良くなっていますね。車重が軽くなり取り扱いが非常に楽になったこと、出足の良いこと、そしてクッションが素晴らしいこと、トップスローがきくこと、燃費の少ないこと、安定性が向上したこと、チェンジのストロークが短いこと……等、とにかく良くなっています。力もあるしとても静かですね、このツインは。前の車もうるさいというほどではなかったけれど、夜遅く路地なんか走る時は気が引けました。だけどこの車でしたらそういうことはないでしょう。


エンジンの油漏れはほとんどないですよ。かすかに滲みでるだけですから、三日に一度くらい掃除してれば全くないといっても分からないでしょう」と、まずいろいろ向上をした点をほめているが、次のような不満な点も述べている。なお、高宮さんの使用している車は勤務先のもので、1日平均100km くらいは走っているという。これは走行2,200kmにおける時の不満である。「主に商品の配達用に使っているんで、大抵15~6貫ぐらいの荷を積んで走っていますが、ハンドルの幅が狭いんで尻を取られるような感じになります。というのは身体が前かがみになっちゃうからなんです。実用車というならばこれは具合が悪いですね。


前にクッションがいいといったけど、それはフロントの方で、リヤは荷を積まないと固い様です。ですから荷を積むようになっている車、つまり実用向きに出来ているんだと思うんですが、ハンドルなんかどっちかというとスポーツ向きなんです。ですからブレーキ板がとっても小さく、見ては何かスマートですが、決して実用向きではない。


またフロントフェンダーもなかなか格好は良いけれど全然泥水を防がない。雨の日に乗ったら膝から下はビッショリになっちゃう。それからローはぐんとでるだけで全然伸びがない。グンと出る出足はいいんですけど、スピードが出ないんです。その他キャブを密閉したのはいいんですが、チックラーが出ていないのは不便ですね。始動はあまり良くありません。


それとスイッチがランプの左側についていて、雨水よけになっているのはいいんですが、ちょっと付け忘れるとサア大変で30分ぐらいでバッテリーが上がっちゃうんです。5分でも車から離れるときは必ずキーを抜かなきゃダメです。子供にいたずらされてバッテリーが上がっちゃってひどい目にあいました。30分ぐらいで上がっちゃうんですから夜間尾灯をつけて駐車しておくことはできませんね」

やはりドリームファンの一人である鈴江治三郎さん

(東京都)は次のように述べている

購入の行きさつ について——


「数ある車種の中からC70型を選んだ理由は概して今までのドリームが良かったからなんですし、それに私は4サイクル・エンジンが好きです。軽自動車を望んでいましたからです。価格もちょうど予算に合致しましたし、ドリームの部品は所構わず豊富にあり、その価格が安いのも理由の一つに挙げられます」鈴江さんは主として商用に使っているが、荷物はほとんど積んだことがないという。もっぱら自分の足として使っているわけである。1日平均の走行キロ数は70km、購入後一か月半ですでに2500km走っている。




さて実際に使ってみての感想は——


「はっきりいって予想に反していますね。57年のME型のがまだよいのではないかと思う。長年月の耐久力についても全く新しい車だけに不安を感じてます。例えば最近エンジンに変な断続音が入るんです。どうも正常な音ではないと思うのですが2000kmのサービスで直らないんです。エンジン音が大変静かになったんで、よけい耳につくと思うんですが……。


しかし実際に使ってみてメーカーの宣伝ほどのものではないようですね。カタログも大体7割ぐらいしか信用できないでしょう。まだ走行キロ数は少ないんで完全には分かりませんが、とにかくドリームとしては満足しきれない」と述べ、不満な箇所として次の点をあげている。「まず始動性が悪いこと。これはキャブレターにカバーを付けたためチックラーの操作ができないためだと思うんですが、朝の始動は全く世話がやけます。


それから変速機の調子はよいんですが、4段ギアレシオが完全に運転に合致してはないように思う。チェンジレバーはペダルの位置が高く足を持ち上げなきゃダメです。またハンドルが短すぎる。これは高速運転には良いですが、低速で走ってる時には適さない。ことに混雑している場所で十分に回しきれず、とても不便です。大体スポーツカー的に出来ており、それがメーカーの目的らしいんですが、実用的でない。後バッテリーが小さい。液が三、四日ぐらいしか持たないんです。そしてバッテリーが完全なるボルト取り付けのため液の補充は大変手間がかかる」


また各部について——


「まずエンジン。非常に静かになった。油漏れもにじみも出る程度で気になるほどではありません。馬力はとくにあるとは思わないけど不足は感じないし、始動性は前に述べたように感心できませんが燃料消費は普通です。クッションについては前後ともとてもいい。ブレーキも前後ともよく効く。雨天に走ってもブレーキドラムに水が入るということもないのです。


電気周りも悪くないし、スイッチ類も普通です。その他塗装やメッキも特にいうことはないです。ついてきた工具も揃っているし取扱説明書も親切でわかりやすい。サービスも非常に良いが、まだ思うように調整することができないので結果としては良くないといえる。エンジンがツインになったので加速性はさぞかし良いと思ったが、ギアレシオがあっていないようでメーカーのいうほどでもないですね。最高時速80km以上での安定性はやや不安感があります。車重はちょうどよいでしょう。メインスタンドは楽に起こせますから」といっている。





以上、いずれの場合も良いと認めている点と同時に不満な箇所もあげており、それが大体共通しているようである。実際、車の良否についてもっとも気を配っているのはユーザーであって、いいところも不満なところも実によく知っている。


これは走れば走るほど使えば使うほどその車の真価が掴めるからであろう。

しかし月産数十台数百台あるいは数千台も生産されている車の中からわずか数人のユーザーの言をして車の良否を決めることは、はなはだ危険なことである。これはあくまで不特定ユーザーが実際に感じた意見であり、結論づけられないことは言うまでもないが、車を科学的に知るには大きな参考となるであろう。









Commented by 黄猿 at 2022-10-15 15:58 x
はじめまして。
大変貴重な情報を掲載いただきありがとうございます。弊方、古いホンダ2輪車の部品(キャブレター)、中でもPC/PW系のものに興味があり、主に現物を手に入れて調べております。
どうやらこの系統の始まりは1958~59年頃らしいというところまで来たのですが、この辺りは現物も情報も少なく、あと少しが分からないのです。
もし宜しければそちらの資料を見せていただけると大変ありがたく思っております。
不躾ながら本日電話連絡もさせていただきました。
弊方、近隣市町村住まいです。
許されるのであれば是非お邪魔させていただきたく、宜しくお願いいたします。
Commented by mic2019 at 2022-11-12 08:48
> 黄猿さん
ご連絡ありがとうございます。
私でできることがあれ何なりとお手伝いいたします。
ご遠慮なくおいでください。

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by mic2019 | 2020-07-05 12:33 | 1958年二輪車・バイク広告集 | Trackback | Comments(2)

戦後数年を経ると衣食住が、ややましになった。その頃、自営業者を中心として機動力のあるモーターサイクルの需要が爆発的高まりをみせる。多くの挑戦者達がものづくり(モーターサイクル)に駆け抜けた。そんな時代1951~58年にお誘いしよう。A few years after the war, clothing and shelter became somewhat weak. At that time,


by mic2019
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